クライネス・コンツェルトハウス
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評論家 渡辺和彦氏による推薦文
フィビフとドホナーニ。後期ロマン派の秘曲を聴く これは爛熟期の後期ロマン派音楽の残り火のような秘曲を2つ録音・紹介した、ほんとうに貴重なアルバムである。 このふたりの作品は、近年少しずつ復活している。ドイツの楽譜出版社が2000年ころから、フィビフの複数の交響曲を含むオーケストラ作品のフルスコアを、リプリントの形で大量に復刊中。またドホナーニは主にアメリカ時代の記録(ピアニストとしての録音、公演記録そのほか)やハンガリー時代のものを中心としたピアノ曲集の楽譜が、復刻・絶版を繰り返している。また主要作品を収録したCDは、もうかなり多い。 クライネス・コンツェルトハウスによる今回の録音は、フィビフ、ドホナーニの文字通り秘曲を演奏・収録している。彼らは両作品とも、これまで東京だけでも何度かステージで採り上げている。フィビフは絶版中の楽譜を特別にチェコから取り寄せて2003年2月9日、東京文化会館で披露。ひょっとしてこれがこの曲の日本初演だったかもしれない。そして2008年7月25日に、同じ場所で再演。ドホナーニのほうも、2001年2月6日と2008年7月25日に演奏。しかも彼らは、たとえばフィビフのピアノ四重奏曲ホ短調作品11であるとか、ドホナーニの前記「ピアノ五重奏曲」「チェロ・ソナタ」などを、ドヴォルザークやブラームス、R.シュトラウスなどの室内楽曲と同様に、これまでも何度プログラムに乗せていて、この時代の室内楽作品演奏のプロといえる。 今回の録音は、クライネス・コンツェルトハウスの大きな魅力であるヒートアップ寸前の爆発や高揚感よりは、むしろ、珍しい作品をていねいに、曲の姿を正しく伝えるべく再現する努力のほうに力点がおかれている。録音で接するには、こちらのアプローチのほうが正解で、しかも作品のもっている熱さ、皮肉やユーモア(ドホナーニはひょっとして楽章順にブルックナー、ブラームス、レハールのパロディ、でなければオマージュだろう)は明確に伝わってくる。2001年の実演時、ドホナーニ作品の終結部で、聴衆から爆笑が巻き起こったのも懐かしい。 珍しいが埋もれてはいけない作品が、それを再現するに最もふさわしいチームによって正しい形で記録に残された。このアルバムのもつ意義は大きい。 |
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